従来の考え方の枠組みが大きく転換する激動の時代が始まりました。世界と日本の歴史は大きく変わろうとしています。
新型コロナの感染拡大によって,効率最優先でケアを軽視する新自由主義の脆弱性や,開発を進めて環境を破壊する資本主義の限界が明らかになりました。ジェンダー平等に向けて,もはや後戻りのできない流れも生まれています。そして,
核兵器禁止条約の発効によって,核なき世界に向けての第一歩が踏み出されました。
広島と
長崎に原爆が投下されてから76年目になる今年の1月22日に核兵器を違法とする
核兵器禁止条約が正式に発効しました。この日に合わせて,被爆者をはじめ市民がそれぞれ平和公園に集い,様々な催しが企画されて喜びを表現しました。長い苦しみの中で核兵器の禁止を訴え続けた被爆者の声に市民社会と世界が応え,人類史上初めて核兵器が国際法で禁止されたのです。米国を先頭とする核保有5大国は共同して条約に敵対し,妨害もしましたが,途上国を含む多くの国々が,その圧力をはねのけ,条約の批准に至りました。昨年の国連総会では130か国が
核兵器禁止条約促進決議に賛成し,
核兵器禁止条約への支持を広げていることは大きな意義を持つものです。
核兵器禁止条約は参加していない核保有国に対して,法的拘束力はありませんが,核兵器は悪魔の兵器として,使用するものは無法者の烙印を押されるという,事実上の拘束力を持つことになります。核兵器は違法であるという国際規範を私たちは手にし,世界は新たな段階へと入るのです。
ところが,唯一の
戦争被爆国である日本の菅首相は,1月22日,参議院本会議で米国の核の傘に依存する
安全保障政策を理由に,
核兵器禁止条約に批准,署名しないことを再び明言しました。唯一の
戦争被爆国として情けない態度です。こうした態度を取る日本政府に対しては,ICANのベアトリス・
フィン事務局長が,昨年10月,日本の経験を考えると日本が核兵器を合法のままにしようとしていることに失望している,日本は核兵器がどういうものかをよく知っているが,条約を支持しないことで政府は同じことが再び起きるのを許そうとしていると厳しく批判をしています。米国の核の傘に依存する核抑止論とは,米国の核兵器をいざとなれば使ってもやむを得ないという考え方です。二度と同じ体験をほかの誰にもさせたくないという被爆者の願いとも相反するものです。
国際法で核兵器が違法化された今,改めてお聞きします。
核兵器が使用されたことによる破滅的な代償を誰よりも知っているはずの
被爆国日本政府が,核兵器を使うことも,核兵器が合法のままでもよいとする態度を取っています。被爆地の市長として,日本政府の態度を許されるのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の対策についてお聞きします。
第一に事業者への支援についてです。
新型コロナウイルス感染症の国内での感染確認から1年がたちましたが,現在国は2度目の
緊急事態宣言を10都道府県に発出しています。昨年12月には,広島市も第三波による感染急拡大を経験し,東京以上の爆発的な感染拡大を招き,政府の分科会が
緊急事態宣言の目安としたステージ4という最悪のレベルに達しました。そのため広島県は12月12日から
感染拡大防止集中対策期間を設定して,2か月にわたって自粛が呼びかけられてきました。飲食店への営業自粛と市民への外出自粛が要請される中,売上げの減少で苦しむ
中小企業事業者に直接支援を行い,地域に根差して活動する中小業者を
新型コロナ危機で誰一人取り残さない支援策を構築すべきです。
広島市の新年度予算のうち
新型コロナウイルス感染症対策に関わる予算は,2月補正予算と合わせて
ワクチン接種事業69億円など115億円が計上されましたが,県が実施する飲食店への協力支援金と応援支援金の広島市負担分は合わせて約14億円です。一方,昨年テナントと
テナントオーナーの支え合いの共助の事業と銘打って開始した
新型コロナで苦境に立つテナントへの家賃を引き下げる
オーナー補助事業30億円は,別事業へ10億円流用し,今回9億円の減額補正をしようとしています。なぜ
見込みどおりの利用がなかったとお考えでしょうか。
さらに,飲食店だけではないと,飲食店への
営業自粛要請で,食材やお酒,燃料などを卸している卸業者も収入減に苦しみ悲鳴が上がっています。国の
持続化給付金や家賃給付金は,昨年12月までを対象として打ち切られました。こうした中で,庄原市では,国や県からの応援金の対象にならなかった飲食店や旅館業,卸売業者などに30万円の応援金を支給する予算を組みました。広島市としても飲食店以外の事業者にも独自の支援策を講じるべきではありませんか。国に対しても,中小業者への直接支援を実施,拡充するために,
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を増額することを要請すべきです。さらに,経営難に陥っている全ての事業者に対象を拡大した第二弾の
持続化給付金の再給付や補正予算で1兆円追加された
GoToトラベルの予算を,飲食業,観光業などへの直接支援に切り替えることを求めるべきです。どのようにお考えでしょうか。
新年度の予算を組んだ松井市長は,記者会見で,まちづくりのための施策を着実に進めると述べ,JR広島駅南口の再整備や
サッカースタジアムの建設費など,建設事業費は大きく膨らみました。特にJR広島駅南口の再整備の当初事業費の見込みは155億円だったものが360億円に,2.3倍に跳ね上がったことを議会に報告されたときは,異常な膨張ぶりに誰もが驚きました。陸の玄関口だからと強調されますが,それにしてもこんな超豪華な玄関が必要でしょうか。広島駅周辺では1月末にはホテルニューヒロデンが営業を終え,全ての従業員が解雇されたと報じられました。長引くコロナ禍で倒産や休廃業が相次いでおり,仕事を失った人は増え続けています。
厚労省のまとめでは
新型コロナウイルスの感染拡大による解雇,雇い止めになった人が,広島県で2,000人を超えたといいます。また,広島労働局のまとめでは,県内の
雇用調整助成金の申請は1月29日時点で5万6321件に上っているそうです。業種別に見ると,宿泊,卸売業がそれぞれ20%弱を占め,飲食は15%となっています。こうした業種は女性の従業員の割合も高く,その大半が非正規雇用で働き,仕事や収入を失っていると言われています。さらにDV被害,子育てや介護の悩み,女性の自殺が急増し,苦境に立つ女性の実態がコロナ禍で浮き彫りになっています。広島市には大きなダメージを受けた市民と事業者に寄り添った姿勢が求められています。今全力を傾けるべきは,
新型コロナウイルス感染症から市民の命と暮らし,営業を守ることではありませんか。どのようにお考えですか。
次に,検査についてお聞きします。
2月17日現在,広島市の人口10万人当たり,1週間の
平均陽性者は2.0人となり,県の警戒基準の4人も下回り,ステージ1へと大幅に改善されました。
そこでお伺いします。昨年12月,ステージ4へと感染が急拡大した要因はどこにあると市はお考えですか。また,感染拡大に歯止めがかかった要因についてもどのように分析されているか伺います。
感染症対策の切り札として,
ワクチン接種への期待が高まっています。安全性の確認と必要量の確保が難しいという問題があり,効果を得るまで数年かかるというのが専門家の一致した見解と聞きます。
ワクチン接種事業を円滑に実施するためにも,感染のリバウンドを起こさないことも必要です。そのためにも感染者を早期に発見し,保護する戦略的な検査が求められています。1月8日,
ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑,
山中伸弥両氏ら学者4氏が共同声明を出しました。第1項目に医療機関と
医療従事者への支援の拡充,第2項目に
PCR検査能力の大幅拡充と無
症状感染者の隔離の強化を掲げて,政府に抜本的対策を求めました。
新型コロナウイルス感染症の厄介な点は無症状の人が自覚のないまま感染を広げる特徴を持っていることです。そのため感染者を早期に発見し,感染を広げない積極的な検査戦略が必要です。私たちも国に対して,感染源・地域を特定した検査や,医療機関と
高齢者施設への
社会的検査を全額国費でやるべきだと求めてきました。ようやく国も改正された対処方針に症状のない人への検査を盛り込み,
社会的検査の実施計画の策定を自治体に求めています。
広島市民病院では,2回目の
クラスターが発生したと報じられました。1回目のときのような面的な検査が求められているんではないでしょうか。というのも,1回目の
クラスター発生後,12月12日に最初の感染者が確認されたことを受け,5日間で職員,患者,出入り業者など2,000人を一人残さず検査をされたと聞きました。さらに,無症状の陽性者を保護しただけでなく,陰性と判断された
濃厚接触者も2週間自宅待機するという措置を講じたといいます。その結果,早期に抑え込み,救急受入れを1週間で再開できるようになりました。
これまで医療機関や介護施設では,検査を
濃厚接触者だけに限定したため,
クラスターを抑え込めず機能不全に陥りました。
広島市民病院の取組のように,面として施設に関わる全員を短期間で検査し,陽性者を一気に発見するやり方を今後の
クラスター対策で生かしていくことが必要だと思いますが,どのようにお考えでしょうか。費用を含め,市として支援するお考えはありませんか。
現在,県は高齢者,障害者の入所施設の職員を対象にした定期的な抗原検査を実施していますが,第三波では,保育所や学校で
クラスターが発生しています。こうした接触が避けられない施設や通所施設にも定期的な抗原検査を広げ,職員だけでなく,利用者も加えるなど,
社会的検査を拡大すべきです。どのようにお考えでしょうか。
医療従事者への支援についてお聞きします。
新型コロナの下で,多くの女性が医療や介護など,ケア労働の現場を支えています。とりわけ
感染症患者に対応する看護師の人員不足は深刻です。
日本看護協会によると,
新型コロナウイルス感染症対策病院の看護師の退職が21.3%にも上っているといいます。
舟入市民病院では,当初2か月で交代とされていましたが,看護師の離職,休職者が相次ぎ,代わりがいない,終わりも見えない,
コロナ看護に心身とも疲れ果てて,離職や
メンタル不全による病休者を生み出す状況になっているとの訴えが寄せられました。
今後,
ワクチン接種事業でも
医療従事者の確保が緊急の課題となる中,こうした最前線で命と向き合う,大奮闘されている
医療従事者を粗末にするようなことでは市民の命は守れません。
感染症病棟で働く看護師に桁違いのストレスがかかっていることを,市はどう受け止めていますか。毎日感染の不安と闘いながら,献身的に患者と向き合っている看護師に対して,市として危険手当や特別手当の増額をするべきではありませんか。また,国に対して,全ての
医療従事者への2度目の慰労金の支給を求めるべきではありませんか。
コロナ禍の下,一般患者の減少と
コロナ対応による出費で,多くの医療機関が赤字経営を余儀なくされています。国の医療機関への補助金は,検査機器や空気清浄機やオンラインの
パソコン費用など,
感染症関係の施設整備へと使い道が限られ,人件費の診療報酬の減収分の補填に使えないため,仕方なく職員のボーナスをカットして病院経営を維持する事態になっていると聞きます。
コロナ患者を受け入れていない病院でも入院患者の転院など,
コロナ対応の後方支援の役割を果たして,
地域医療体制を支えているんです。医療現場の頑張りに応えて,いまだに損失補填がなされない医療機関に大幅な財政支援をするよう,国に求めることが必要です。市として支援することについて,どのようにお考えでしょうか。
次に,第8期の
高齢者施策推進プランについてお聞きします。
介護保険制度が始まってから21年がたちます。来年度から実施される
介護保険制度の運営計画を含めた第8期の
高齢者施策推進プランが策定されました。介護が必要になった高齢者に対して十分な
介護サービスを保障するために,3年ごとのプランでは
介護基盤整備の目標を立てて,その達成に取り組んできました。
そこでお聞きします。第一は,
特養ホームの整備についてです。
第8期プランが示している
高齢者人口の推移を見ると,
高齢者人口の増加以上に75歳以上の人口の増加幅が大きいため,第7期の1年目から第8期の3年目までの6年間に要介護3以上の人は約3,300人増える見込みとなっています。第6期までで整備できた
特養ホームの数は4,500人分です。要介護3以上の高齢者に対する
特養ホームの整備率は約25%ですが,これを第8期終了年の要介護3以上の高齢者数に当てはめると5,132人分が必要で,新たに632人分の整備が必要となります。
第7期で整備されるのは,第8期に食い込む形で来年度予算に計上されている130人分を入れて260人分ですから,要介護3以上の高齢者に対する
特養ホーム整備率を25%程度とすると,第8期では,あと372人分必要だということになります。入所対象を原則要介護3以上とした以降も,
特養ホームの待機者が常に3,000人を超す状況が続いています。待機者解消に向けて,もっと思い切って増やす必要があります。介護人材の不足が続いている中ではありますが,第8期の
特養ホーム整備はせめて500人分以上の整備目標にするべきです。市のお考えをお聞かせください。
第二は,人材確保の問題です。
第7期のプランでは,必要な
介護サービスの量の見込みに見合う介護人材の確保が重要な目標となっていましたが,ここでも多くが目標未達成となっており,必要な成果を上げることができていません。介護基盤の整備が目標未達成となっているのは,人材確保の目標が未達成となっていることが最も大きな原因です。その上,介護職員の資質向上,優秀な介護人材の確保などのために取り組まれた
介護マイスター認定者を増やす取組も,目標からはるかに遠い結果となっています。介護人材については,量と質の両面で目標には大きく届かない結果になりました。こうした実態について,どこに問題があったとお考えかお答えください。
第三は,処遇の問題です。
介護人材確保の結果を受けて,第7期の推進状況の文書では,
介護人材不足が深刻であるとした上で,質の高い人材育成と実質的な処遇改善が必要であるとの認識が述べてあります。極めて重要で専門的な職務を担いながら,常に処遇改善が課題になってきたのが介護職員です。しかし,広島市は国が処遇改善の施策を実施した際,それが極めて不十分であったにもかかわらず,国の施策を理由に市の独自の処遇改善の施策を廃止してしまいました。国に対して抜本的な処遇改善の要請を行うとともに,現状打開の取組の一つとして,改めて広島市独自の処遇改善のための財政措置を行うべきだと考えます。どうされるかお答えください。
第四に,国の動きに連動して,広島市でも安上がりの
在宅介護サービスを推進してきましたが,第7期の推進状況の文書を見ると,
生活援助特化型訪問サービスの資格取得者の就業や住民主体型生活支援訪問サービスを行う実施団体数はほとんど増えていません。このことは僅かな報酬で専門性の必要なサービスを提供することも,ボランティアがそれを担うこともうまくいかないということが示されたということではないでしょうか。広島市はどのように受け止められているのかお答えください。
保育施策についてお聞きします。
広島市には,昨年4月現在,保育園と幼稚園,認定こども園など,私立が267園と公立幼稚園19園,公立保育園87園,公立認定こども園1園の公立107園があります。昨年度,今後さらなる少子化が進むことを理由に,幼児教育・保育の一体的な質の向上を図りながら,公立幼稚園と公立保育園の統廃合を進めるというビジョンを策定し,今年度実施方針案を示しました。それによると,定員割れしている公立幼稚園は統廃合を進め,公立幼稚園6園と公立保育園9園を統合し,新たに認定こども園にして,安佐南区2園とそのほかの区は1園の拠点園化を進めるとしています。公立保育園は中山間地域について,セーフティーネットとして残し,私立保育園の取組支援などを担うとしながら,今後10年で保育需要の減少する白木地域を皮切りに3中学校区の公立保育園11園の統廃合を検討するとしました。
児童福祉法は,第24条第1項で自治体の保育実施義務を規定しています。それを直接果たすのが公立保育園です。民間の認可保育園に支出している運営費の位置づけが委託費であることが,そのあかしです。公立保育園は住民の税金でつくられた自治体が運営する施設です。だから,地域の住民の要求に応えるための保育,子育て支援施策を実施する責任があります。公立保育園の保育士は同じ研修を受けるなど,自治体のビジョンを共有します。そのような施設が地域の各所に満遍なく設置されていることが,地域の保育のスタンダードをつくり,民間保育園の保育条件や保育環境などに影響を与えます。
また,公立保育園は公共性が高いという特徴があるため,広範な市民が求める保育内容をつくる必要があります。障害のある子供や外国にルーツを持つ子供の受入れなど,そのような必要があるからこそ,私立保育園で言われる特徴のある保育ではなく,普通の保育をする施設となります。そのことにより保育内容においても地域のスタンダードをつくっているんです。市として,公立保育園の役割をどのように認識しておられますか。
一方,市が保護者にアンケートを取ったら,公立よりも民間保育園のほうが保護者の要望に応えられるという結果が出ました。公立保育園に不満足な点としては,施設・設備が上がっています。特に施設の老朽化は誰の目にも明らかです。また,今後求める点としては,完全給食の実施,つまり幼児の主食持参の解消が求められています。これらの理由で公立保育園が選ばれないとしたら,保育の実施義務を果たすべき行政の怠慢です。保護者の要求に応えて,施設の更新や完全給食の実施について改善していくべきではありませんか。
昨年春,
緊急事態宣言が出されて,小・中学校が休校となっても,保育園などは保護者が働いており,子供一人でいることができない年齢であることから,原則開所が要請されました。それでも自粛要請の結果,保育現場では登園児が減少しました。そうした中で,一人一人の子供に配慮できるゆとりが生まれ,本来の保育ができたと現場から声が上がっています。
感染予防を徹底し,緊張感を持って保育を行いながらも,現行の国基準,例えば3歳児20人に担任が1人,4,5歳児30人に担任が1人ということがいかに貧しい基準であり,保育からゆとりを奪い,子供の発達を阻害しているのか,改めて実感したというものです。学校の学級定員が40年ぶりに引き下げられますが,保育園では70年前から見直されていません。あまりにも子供に関心がなさ過ぎるのではないでしょうか。少子化が進むのであれば,配置基準を引き下げて,本来あるべき行き届いた保育ができるように改善することが必要ではありませんか。どのようにお考えですか。
最後に,ジェンダー平等についてお聞きします。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の元会長,森喜朗氏がJOCの会議で,女性がたくさん入っている理事会は時間がかかると発言したことが,国の内外で大問題になりました。政策決定の場に女性が平等に参画し,意見を表明することを否定する,まさにとんでもない暴言です。森氏は,ここにいる人はものを言わずわきまえた人ばかりと発言したため,ツイッターでは,わきまえない女という抗議の思いを込めた言葉がトレンドの1位になり,怒りが広がりました。広島出身のアスリート,為末大さんも,黙っていることは容認したことになると性差別反対と声を上げました。
私も広島市議会の女性議員有志の皆さんと,森氏の辞職を求める抗議文に名を連ねました。さらに駐日欧州連合代表部やドイツ,フィンランドの在日大使館などが,名指しこそはしませんが抗議ツイートを連投し,東京の国連広報センターも,沈黙を打ち破ろう,誰かが一線を超えたら声を上げよう,家父長制への無言の迎合は受け入れてはいけませんとツイートしました。
なぜ世界から問題にされたんでしょうか。そもそも今やジェンダー平等は世界共通の価値観です。オリンピック・パラリンピックの開催国には,男女平等や性的マイノリティーの尊重などのジェンダー平等を進めるという五輪モデルを世界に示す責任が課せられています。森氏のような立場の人の女性蔑視発言が公式の場でまかり通るとなると,オリンピック開催国が日本でいいのか,このことが問われることになるんです。
また,日本自身の問題もあります。2014年の世界女性スポーツ会議を契機に,2017年にスポーツ庁や日本のスポーツ団体が合同で署名し,2020年までに各団体の女性役員を40%にしようと決めたのでした。実際には,東京五輪組織委員会でも23%にとどまっているといいます。これを契機にジェンダー平等に取り組み,民主的な運営で平等な組織に生まれ変わって,暴力もハラスメントもないスポーツ界に変わってほしいと願っています。さらに,ジェンダー平等の世界ランキング121位という不名誉な地位にある日本を変えるチャンスにしようではありませんか。
さて,今年本市は第3次の男女共同参画基本計画を作成しました。市はジェンダー平等をどのように定義されているんでしょうか。基本計画の中で,ジェンダー平等についての認識をどのように広げていくんでしょうか。また,政策決定の場への女性の参画を推進することについて,各種審議会などへの女性の委員の登用や市役所での幹部職員への女性職員の登用について,これまでもそれぞれ目標を持ってきましたが,いずれも達成できていません。新しい基本計画では,新たにどのように取り組むのかお聞かせください。
以上で総括質問を終わります。
○山田春男 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 近松議員からの御質問にお答えします。
保育についてのうち,公立保育園の役割についての御質問がございました。
現在,本市における保育サービスの提供体制は,公立園が88園,私立の認可園が203園となっております。こうした状況を前提としながら,保育の実施に責任を負う本市といたしましては,いずれの施設においても国が示す施設や職員配置などの基準等を満たしながら,保育を必要とする子供に必要なサービスの提供を行っているところであります。
こうした中,現状の課題認識といたしましては,保育の質のさらなる向上と多様な保育ニーズへの対応を進めながら,近い将来,少子化の進展によって保育需要が減少するといった中で,いかに保育サービスの提供を維持していくかといったことになろうかと考えております。このため,私は公立・私立,幼稚園・保育園等を問わず,全体最適の視点に立って,幼児教育・保育の一体的な質の向上を図るとともに,持続可能な提供体制を構築していくための基本方針として,昨年3月に広島市幼児教育・保育ビジョンを策定し,その中で,公立・私立それぞれの特性を踏まえた役割分担を進めることといたしました。
具体的には,延長保育の実施などに柔軟に対応をしてきている私立園が保育サービスの提供体制の中心を担い,公立園は公益性が高いといった観点から私立園の取組を支援するとともに,中山間地域で生活する子供が必要な保育サービスを受けられる環境の保持などのために,地域におけるセーフティーネットの役割を担うものというふうに整理をいたしました。こうした考え方を踏まえて,現在ビジョンに基づく実施方針の策定を進めており,公立・私立の役割分担を踏まえて,公立園が蓄積したノウハウの提供による私立園の取組の支援などを具体的に進めてまいりたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○山田春男 議長
こども未来局長。
◎松井勝憲
こども未来局長 保育についての数点の御質問にお答えをいたします。
まず,公立保育園の施設更新を進めるとともに,完全給食の提供を実施すべきではないかについてです。
今後,更新時期を迎える公立保育園は,その多くが昭和40年代に本市の保育事情に即して整備されたものでございまして,今後の地域ごとの需給状況を踏まえた提供体制を検討した上で,適正な規模で施設更新していくことが重要であると考えております。また,給食に関しましては,国の制度設計が副食のみの提供を前提としたものとなっているため,引き続きこうした考えに基づいて給食提供を行っていきたいと考えております。
次に,少子化が進むのであれば,保育士の配置基準を引き下げ,行き届いた保育ができるように改善することが必要ではないかについてです。
本市では,国の基準に従って,条例で保育士の配置基準を定め,この基準による年齢別の児童数に応じた配置を行っているほか,年次有給休暇や休憩の取得,研修参加の際の代替保育士の加配,障害児の保育や延長保育を実施する際の加配などの措置を講じております。さらに,保育に関わる業務をICT化するシステムの導入支援や保育士の補助を行う保育補助者の活用などにより,保育士の負担軽減を図り,保育中の児童に対してより目が行き届くように努めております。本市といたしましては,配置基準の改善や必要な財源措置は,本来国が責任を持って講じられるべきものと考え,これまでも他都市と連携して国に要望してきており,引き続き国の状況を踏まえつつ適切に対応してまいります。
以上でございます。
○山田春男 議長 市民局長。
◎政氏昭夫 市民局長 核兵器廃絶について,
被爆国日本政府が核兵器は使うことも合法のままでよしとする態度を取っているが,被爆地の市長として,日本政府の態度を許すのかについてお答えいたします。
日本政府は,唯一の
戦争被爆国として,核廃絶というゴールは共有しているとしながらも,
核兵器禁止条約への対応については,日本のアプローチと異なることから署名は行わないという従来からの方針を維持しています。しかし,このたびの
核兵器禁止条約の発効は,核兵器は要らないという市民社会の声が世界の潮流になっていく,その大きな転換点であると考えています。このことを見極めていただくため,日本政府に対し,昨年11月,広島・
長崎両被爆地及び平和首長会議国内加盟都市会議の総意として同条約の締約国となること,そして締約国となるまでの間,当面は締約国会議にオブザーバーとして参加し,核保有国と非核保有国の橋渡し役としてリーダーシップを発揮していただくよう,市長が
長崎市長と共に要請いたしました。
あわせて,こうした政府の取組を支援してもらうため,各政党の党首や核兵器廃絶に係る議員連盟の代表者に対しても,一刻も早い同条約への署名・批准に向けて,国会での活発かつ建設的な議論を行っていただくよう要請したところでございます。
以上でございます。
○山田春男 議長
企画総務局長。
◎手島信行
企画総務局長 新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,大きなダメージを受けた市民と事業者に寄り添った姿勢が求められると思う,今全力を傾けるべきは
新型コロナウイルス感染症から市民の命と暮らし,営業を守ることではないかとの御質問にお答えをいたします。
議員御指摘の企業の業績や資金繰りの悪化,世帯の所得減などを直接的に緩和するための諸措置など,
新型コロナウイルス感染症対策の一環として取り組むべき課題については,基本的に国及び県において講じられるべきものと考えており,本市としては,国・県の動向を踏まえながら,地方創生臨時交付金を最大限活用し,共助の精神に基づく地域での支え合い,事業者同士が連携した取組への支援など,国や県の公助による下支えの補完・補強に資するような対策を講じてきているところでございます。そうした中で,このたびの予算編成に当たっては,
感染症対策として,国・県との役割分担の下,
新型コロナウイルスワクチン接種やPCR検査の実施,社会福祉施設や飲食事業者,交通事業者への支援など,必要な措置を講じられるよう予算を計上するとともに,長期的な視点で課題解決を図るための施策を着実に実施するよう意を用いているところでございます。
以上でございます。
○山田春男 議長 保健医療担当局長。
◎阪谷幸春
健康福祉局保健医療担当局長 新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,検査について三点の御質問にお答えいたします。
初めに,感染が急拡大した要因はどこにあると考えているのか,また,感染拡大に歯止めがかかった要因について,どのように分析しているのかについてです。
昨日の宮崎議員の御質問にも御答弁いたしましたが,昨年12月以降,本市において感染者が急増した要因については,東京など感染拡大地域との往来により感染した方が会食や職場で感染を広げ,そこで感染した方から家庭内に感染が広がり,さらに家庭内で感染した方が勤務先の
高齢者施設や医療機関,事業所などで感染を広げたことによるものと考えております。また,感染拡大に歯止めがかかった要因については,昨年12月以降に広島県と連携した集中対策を実施する中で,買物等も含め外出機会の削減など,日常生活を大幅に制約してでも感染予防に協力いただいた市民一人一人の取組の成果によるものと考えております。
次に,
広島市民病院で
クラスターが発生したときの対応のように,施設に関わる全員を短期間で検査し,陽性者を一気に発見するやり方を,今後の
クラスター対策で生かしていくことが必要であると考えるがどうか。また,その場合,費用を含め市として支援する考えはないかについてです。
本市では,PCR検査は検査前確率が高い場合,つまり感染の広がりを疑う状況にある場合に実施するものであるという国の
新型コロナウイルス感染症対策分科会の見解を踏まえ,保健所において適切に実施することにしております。このため医療機関や介護事業所等において,患者が発生した場合で感染の広がりを疑う状況にあれば,患者の
濃厚接触者に限らず,感染の広がりが疑われる方も含めてPCR検査を実施しているところです。したがいまして,本市が実施する積極的疫学調査で感染の広がりを疑うような状況にない方々についてまで,PCR検査を行うことは考えておりません。
最後に,県が実施している高齢者,障害者の入所施設の職員を対象にした定期的な抗原検査について,職員だけでなく利用者も含めるなど,
社会的検査を拡大すべきではないかについてです。
先ほど御答弁しましたとおり,本市では,あくまで感染の広がりが疑われる方に対して検査を実施するものと考えております。
次に,
新型コロナウイルス感染症対策についてのうち,
医療従事者への支援について,二点の御質問にお答えいたします。
初めに,
舟入市民病院の
感染症病棟で働く看護師にストレスがかかっていることをどう受け止めているのか。また,看護師に対し危険手当や特別手当を増額すべきと考えるがどうか。さらに他の医療機関も含め,国に対して2度目の慰労金の支給を求めるべきと考えるがどうかについてです。
舟入市民病院は,本市において1例目の患者が発生した昨年の3月7日以降,市内外の多くの患者の受入れを積極的に行い,治療の主導的な役割を担ってまいりました。一方で,
舟入市民病院において,患者の治療に従事する職員は感染するリスクへの不安や,本人及び家族への風評被害など,様々なストレスを抱えながらも感染症指定医療機関に従事する職員としての覚悟を持ち,昼夜を分かたず,現場の第一線で懸命に対応していただいております。このことにつきましては,心から感謝をしているところです。広島市立病院機構では,
舟入市民病院職員のこうした労苦に報いるため,感染症の対応に従事した職員に対して,昨年4月には功労金を支給するとともに,6月には日額4,000円の特殊勤務手当を新設し,12月には国からの給付の慰労金を支給しております。さらに来月下旬には特例一時金を支給する予定と聞いております。議員お尋ねの慰労金の支給については,
医療従事者の士気向上につながるものであることから,今後機会を捉えて国に要望してまいります。
次に,医療現場の頑張りに応えられるよう,全ての医療機関に大幅な財政支援をするよう国に求めることが必要ではないか。また,市として支援することについてどのように考えているのかについてです。
医療機関への財政支援については,昨年5月,指定都市市長会から国に対して,地域における医療提供体制維持のため,感染拡大の影響に伴う外来患者の減少等により,経営状態が悪化している医療機関への財政的支援を行うことを要請したほか,7月,10月,11月にも同様の要請を行っております。今後も機会を捉えて国に必要な支援を要望してまいります。また,本市としては,共助の精神に基づき,発熱患者等とその他の患者の混在を避けるなど,院内感染の拡大防止策を講じる診療所に対して,広島市域の医師会や歯科医師会と協力して補助金を交付するなど,
医療従事者が安心して診療できる支援を行っているところです。
以上でございます。
○山田春男 議長
経済観光局長。
◎日高洋
経済観光局長 新型コロナウイルス感染症対策について,事業者の支援について数点の御質問にお答えをいたします。
まず,
テナントオーナーへの補助事業は,なぜ
見込みどおりの利用がなかったのかについてでございます。
本事業の予算額については,コロナ禍で自らの経営も厳しい中,家賃減額を行う
テナントオーナーを最大限支援するという考え方の下,不動産関連団体等へのヒアリング結果や類似の補助事業を実施している政令市の実績を参考に,5,000店舗,1店舗当たり最大60万円の申請を見込みました。申請結果としては,延べ6,389店舗,1店舗当たり約18万円となっており,申請店舗数については見込みを約1,400店舗上回ったものの,1店舗当たりの申請金額が見込みより約40万円少なく不用額が生じたため,このたび減額補正を行うものでございます。
次に,広島市として,飲食店以外の事業者に対する独自の支援策を講じるべきではないかについてでございます。
このたび県から飲食店以外の事業者に対する支援として,県内飲食店と直接取引があり,かつ売上げが前年比で30%以上減少した県内中小企業者に対して,県が30万円を支給する制度や外出機会の削減要請等により影響を受けた県内中小企業者を支援する市町に対して,県が事業費の一部を補助する制度を創設する方向であるとの情報提供がございました。本市としては,これまで国・県・市の役割分担を念頭に置いた上で,事業者に対する直接的な支援である公助による下支えにも取り組みつつ,それを補完・補強するために,地域での支え合い,事業者同士が連携した共助による取組を支援してきており,今後県の市町に対する補助制度の内容を確認した上で,これまでと同様の考え方の下,この補助制度を活用した支援策について検討してきたいと考えております。
最後に,中小企業者への直接支援を実施,拡充するために,
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額を国に要請すべきではないか。さらに国に対して,
持続化給付金の再給付や
GoToトラベルの予算を飲食業,観光業などへの直接支援に切り替えるべきと思うがどうかについてでございます。
本市は,国に対して指定都市市長会と連携し,これまで累次にわたり要望を行ってきたところであり,本年1月には
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額や
持続化給付金,
雇用調整助成金といった各種給付金・助成金,家賃の負担軽減支援など既存支援策の期間延長,要件緩和,再給付も含めた支援策の充実・強化などについて要望を行っております。引き続き本市の経済状況及び国・県の支援策の動向をしっかり把握しつつ,国・県・市の役割分担を念頭に置きながら,感染拡大防止と経済活動のバランスに配慮し,本市の経済の回復に向けた取組を進めるとともに,適宜国に対する要望も行っていきたいと考えております。なお,国の
GoToトラベルキャンペーンについては,感染拡大防止の次の段階における有効な支援策となり得るものであり,予算を確保しておく必要があると考えております。
以上でございます。
○山田春男 議長
健康福祉局長。
◎山本直樹
健康福祉局長 第8期広島市
高齢者施策推進プランについて,四点の御質問に順次お答えいたします。
まず,多くの待機者が生じているなどの状況を踏まえるならば,第8期の特別養護老人ホームの整備目標は,せめて500人以上とすべきであるが,市の考えはどうかについてです。
特別養護老人ホームをはじめとする施設・居住系サービスの整備につきましては,今後中重度の要介護認定者の増加が見込まれることから,施設の定員数を計画的に増やしていく必要があります。その際,入所を希望する高齢者の方の心身の状態や家族状況など,個々の事情に応じた適切な
介護サービスが提供できる体制にすることが重要であると考えております。こうした考え方に基づいて検討した結果,特別養護老人ホームにつきましては,待機者のうち入所の必要性が高い人が早期に入所できることを目指した上で,第8期中に整備する定員数を180人分と見込んだものでございます。
次に,介護人材の確保については,量と質の両面で第7期の目標に大きく届かない計画となっているが,どこに問題があったと考えているかについてです。
介護人材につきましては,今後増加する中重度の要介護認定者に対し,より専門性の高い人材が注力できるよう,身体介護等の特別な技能を要しない生活援助員の資格を持つ者を確保することとしている中で,資格取得者は着実に増えるとともに,中高生へのアンケート調査によりますと,介護職を将来の職業選択の一つとして捉える者も少しずつ増えてきております。こうしたことを踏まえ,
介護サービスの安定的提供という目標を達成するためには,必要な
介護サービスを適切に提供できる資格取得者を育成し,その就業を確保することが重要な課題となってきております。第7期では,こうした課題の解決に向けて,介護職員を対象とした福利厚生の充実や求職者と事業者のマッチング機会の創出に加え,新たに介護職未経験者の参入促進などに取り組んできたところですが,育成と就業確保の連携が必ずしも十分でなかったこともあり目標を達成できておりません。第8期では,こうした結果を踏まえ,新たに介護職に就くことを希望する人に対し,資格取得と就業を一体的に支援する方策を講じることなどにより,年々増加する介護ニーズに的確に対応できる人材の確保に努めていきたいと考えております。
次に,国の施策を理由に市独自の処遇改善の施策を廃止したが,国に対して抜本的な介護人材の処遇改善の要請を行うとともに,改めて市独自の処遇改善のための財政措置を行うべきと考えるがどうかについてです。
介護職員の人件費を含む介護報酬につきましては,制度を所管する国の責任において適切に措置されるよう,これまでも他の指定都市と共同で国に対して要望しており,そうした中で,国において介護職員の処遇改善加算を拡充するなどの対応が行われたことから,市独自に設けていた福祉施設職員に対する給与改善費補助を廃止したものです。このように介護報酬につきましては,既に国の責任において適切に措置されていることから,本市といたしましては,国が設けた処遇改善制度が介護現場で有効に活用され,介護人材の確保につながるよう,事業者に対する制度の内容や手続等を説明するセミナーの開催,あるいは社会保険労務士等による助言などにしっかり取り組んでいきたいと考えております。
最後に,
生活援助特化型訪問サービスの資格取得者の就業や,住民主体型生活支援訪問サービスを行う実施団体がほとんど増えていないことは,僅かな報酬で専門性の必要なサービスを提供することも,ボランティアがそれを担うこともうまくいかないということが示された。このことについて市はどのように受け止めているかについてです。
生活援助特化型訪問サービスは,平成29年度の総合事業の開始を契機に導入したものでありまして,今後要支援・要介護認定者が増加する中で,掃除,調理等の生活援助の充実が重要な課題となり,これについては,身体介護等の特別な技能を要しない生活援助員を養成し,この生活援助員が主体となって支援する仕組みを設けることで,介護人材の有効活用等を図ろうとしたものです。現在このサービスは,訪問介護員等が中心となって月平均約1,200人の利用者に提供されておりますが,今後高齢化が加速する中で,そのニーズはさらに高まることが予想されることから,養成しました生活援助員へのキャリアカウンセリングや職業紹介などにより就業を促進することで,サービス内容の充実を図っていきたいと考えております。また,住民主体型生活支援訪問サービスにつきましては,サービスの利用者から,その丁寧な対応が好評を得ておるところでございまして,実施団体は毎年4団体程度増え,現在30団体となっております。令和3年度からは新規の実施団体に対する運営費補助を現行の10万円から20万円に増額し,より多くの団体に本事業への参加を促していきたいと考えております。
以上でございます。
○山田春男 議長
企画総務局長。
◎手島信行
企画総務局長 ジェンダー平等と第3次広島市男女共同参画基本計画についてのうち,市役所での幹部職員への女性職員の登用について,新しい基本計画では,どのように取り組むのかとの御質問にお答えいたします。
本市では,第2次広島市男女共同参画基本計画において,管理職に占める女性職員の割合を16%以上にすることを目標として掲げ,女性職員の職域拡大,育成及び登用に向けた取組を進めており,目標は達成していないものの,その割合は平成27年4月の10.3%に対して,令和2年4月時点で13.6%となり,この5年間で着実に増加をしております。現在策定中の第3次基本計画におきましても,女性職員が管理職に必要な知識や能力を習得できるよう,引き続き幅広い職域やライン職への配置拡大,派遣研修の機会の拡充を図るとともに,今後管理職への昇任時期を迎える課長補佐級の女性職員を対象に,先輩女性管理職との交流の場を設けるなど,女性職員の育成に着実に取り組むこととしております。
以上でございます。
○山田春男 議長 市民局長。
◎政氏昭夫 市民局長 ジェンダー平等と第3次広島市男女共同参画基本計画についての二点の質問にお答えいたします。
まず,市はジェンダー平等をどのように定義しているのか。また,基本計画の中で,ジェンダー平等についてどのように認識を広げていくのかについてです。
ジェンダー平等とは,社会的,文化的な性,すなわちジェンダーに基づく差別や偏見がなく,一人一人が多様な個性や能力を十分に発揮できる状態と考えています。このジェンダー平等の認識を広げていくため,現在策定中の第3次広島市男女共同参画基本計画においては,あらゆる分野における政策・方針の立案及び決定過程に女性の参画拡大が図られるよう,企業や地域団体などへ意識改革を促す働きかけを行うほか,男は仕事,女は家庭といった固定的な性別役割分担意識の解消をはじめとした男女が互いの人権を尊重する市民意識の醸成に向けた啓発活動,また,子供の頃からの男女共同参画を推進する教育の充実などに取り組むこととしております。
次に,各種審議会などへの女性の委員の登用について,新しい基本計画ではどのように取り組むのかについてです。
本市では,第2次広島市男女共同参画基本計画において,市の政策・方針決定過程への女性の参画の拡大に向け,審議会の委員への女性の選任に向けた取組を進めてきましたが,目標の達成は困難な状況です。その理由としては,審議会委員を構成している学識経験者や各種団体において,例えば建設分野など特定の分野で女性が少ない現状にあることや,団体の構成員に女性はいるが,団体の長には男性が多いことなどが挙げられます。こうした状況を踏まえ,現在策定中の第3次広島市男女共同参画基本計画においては,委員の選任分野の拡大や充て職の見直し,委員の選出母体に対する役員への女性の登用の働きかけを粘り強く行うなどにより,女性委員の選任の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○山田春男 議長 24番近松議員。
◆24番(
近松里子議員) 市長の答弁は,私のジェンダー平等に対して答えていただけるのかなと淡い期待をしておりましたが,少し残念でございました。副市長がおられる前にして言うのもなんですが,一人の副市長ぐらい女性の方を登用するというぐらいの意欲,態度を持っていただければということを思いました。
そういう中で,ちょっとお聞きしたいことがあります。
核兵器禁止条約のことについてですが,広島市が国に対して
核兵器禁止条約に入ってほしいと働きかけるということについては,それは大切なことで,必要なことだと思うんですが,要は私が申し上げたかったのは,この入らないと言われる日本政府の考え方の大本に核抑止論があるんじゃないかということです。
核抑止論というのは,核兵器を使うぞと脅すことですけど,
被爆国日本政府がこういう使うことを前提にした核抑止力の立場に立つということは,やはり道義的にも許されないと思うんです。使わないんだと言われるんなら,それこそ核兵器はもう必要がないということにもなります。ですから,核の傘から出る,そういうことを進めていくべきだと思っております。被爆者は,本当にほかの誰の頭上にも二度と再び核兵器の惨禍を繰り返してはいけないと,命を削って繰り返し繰り返し世界に訴えてきて,それで
核兵器禁止条約が実現したわけです。やはりその願いと相入れないのではないかと思います。
改めて,もう一度お聞きします。日本政府が核兵器の非人道性というのを認められるんでしたら,核兵器を使用する可能性は容認できないんじゃないかと思います。日本政府に核抑止論の立場と決別するということを求めるべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
そして,昨日から医療関係者の
ワクチン接種,
新型コロナの対応が始まったんですけれども,コロナの感染拡大を防ぐことと,
ワクチン接種を同時に自治体は取り組まなくちゃいけない,本当にまたそれはそれで大変な局面だなというふうに思っております。その中で,医療機関を支援するということ,体制を整えておくということは,本当に大事なんじゃないかと思うんですよね。2月16日の中国新聞によれば,福山市は
コロナ患者を受け入れていない病院に後方支援を担ってもらうため,補助金を出す予算を組むと報じられました。
コロナ患者は,回復してもすぐ退院というわけにはいかなくて,リハビリなどが必要で,引き続き入院しなくちゃいけない方も少なくないそうです。でもコロナ専用病院はベッドをずっと使ってもらうわけにはいかないので,そういう患者にも転院して受け入れてもらう病院が必要になるので,それを補助するということだそうですが,こういう医療支援についてはどういうふうに思われますでしょうか。
それから,先ほど
経済観光局長は,
GoToトラベルは必要な予算だというふうに言われましたけど,これは補正予算で組まれているんですから,言うなればこの3月までに使おうかというような組まれ方をしとるということです。私たちもコロナが終息すれば,こういう
GoToトラベルのようなことは大いにやられたらいいと思うんですけど,3月までを大体想定しとるような,国の補正予算で
GoToトラベルを推進するというのはいかがなものかというふうに思って,それよりは今たちまち困っている飲食店や旅館業のようなところに支援をしてほしい,そういうことで国に求めてほしいと申し上げたところです。
今コロナ禍が本当に長引いておりますので,中小業者の皆さんは本当に大変です。以前も死刑宣告をされたようだと言われた事業者の声も紹介させていただいたんですが,そういう中では,やっぱり毎月の家賃の固定費が大変な負担で,福岡市がやっているような家賃補助を直接支援してほしいという要望がありましたので,そのこともこれまで求めてきました。
そういう中で,市は昨年8月,テナントの家賃を引き下げるというオーナーへの一部補助の事業を始めたんですけれど,30億円の予算で9億円余って,10億円は他の事業に流用されたということで,補助件数は多かった割には補助額が1件当たり18万円で, 60万円ぐらいを考えていらっしゃったのに予想より少なかったということで,予算の3分の1が執行できなかったということなんですけど,やっぱりこのオーナーが引き下げる金額の3分の1は負担しないといけない,3分の2を見ましょうという,そういうオーナーの善意に頼るという仕組みであったために,やはりこの3分の1しか予算が使えなかった,その原因はそういうところにあるとお考えでしょうか。
それから,続いてちょっとお聞きしたいんですが,年末年始に予算のその中の一部を,10億円を活用して,実行委員会を通して全ての飲食店に一定の要件で15万円を支給する事業をされたんですけど,これはいつどのように決まったんでしょうか。そして,応援金の原資というのは市の税金ですよね。しかし,盛んに共助の事業というふうに宣伝をされているんですが,どこがどういうところで共助と言えるのか,私は市民がそもそも税金を出し合っているという,自治体に税金を出し合っていることこそ共助じゃないかと思うんです。ですから,その税金を使って,市長が市民の苦境に対して,直接支援をする事業を行う,これこそ市長の仕事で,公助の役割を発揮するということじゃないかと思うんですが,そこらについての御認識をお聞かせください。
○山田春男 議長 市民局長。
◎政氏昭夫 市民局長 核抑止論について,国にということでございます。
議員もおっしゃられるように,核兵器の非人道性を踏まえれば,核抑止論というものは当然成り立たないと思っております。そのために昨年11月に要望した際におきましても,核兵器の使用は人類の存続を脅かすものであり,人類が核兵器と共存することは決してできないというふうに申し上げております。ただ,残念ながら我々は国の政策に直接関与することはできないわけでございます。我々としましては,この要望は政府にも行いましたし,各政党にも行っております。こうした被爆地の思いを誠実に受け止めていただいて,国政の場でしっかり議論していただきたいと願っているところでございます。
以上でございます。
○山田春男 議長 保健医療担当局長。
◎阪谷幸春
健康福祉局保健医療担当局長 今の議員からの御質問は,感染者が療養終了後,転院を受け入れた福山市のような病院支援はどういうふうに考えるかというお尋ねですけれども,現時点では,広島市内の医療機関から,そういった声が市のほうには届いておりませんが,今後感染者の療養を担っていただいている医療機関からのお声も伺いながら,適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○山田春男 議長
経済観光局長。
◎日高洋
経済観光局長 三点の御質問に順次お答えをいたします。
まず,
テナントオーナーの補助金について,補助率が3分の2ということで,利用が少なかったのではないかということでございますけれども,実際いろいろ補助を受けられた
テナントオーナーの声を聞きますと,例えば昨年12月いっぱいで休業を検討していた店舗に減額を提案して退店回避につながったとか,対象期間が拡大されたことでさらなる減額の後押しになったという声を聞いています。それから,テナントの方からも,これまで減額に応じてくれなかったオーナーが要請以上の額を減額をしてくれたということで,そういった声もたくさん聞いております。先ほど御答弁しましたように,もともとの見込みは市内の中心部の店舗を想定しておりましたので,結果的に申請店舗数は見込みを大きく上回りましたけれども,申請金額が少なくて不用額が生じたということでございます。
それから,二点目です。12月に行いました飲食店に対する応援の関係の支援金でございますけれども,どのように決まったのかということでございます。
広島市飲食店応援実行委員会,これは飲食関係団体で構成されておりますけれども,そちらのほうから,昨年市の感染状況が,12月以降急速に感染が拡大をしまして,12月12日から
新型コロナウイルス感染拡大防止集中対策というのが始まった状況下にございまして,年末年始を迎えるということで,実行委員会のほうから当時の感染経路が飲食の関係での感染が多いということを鑑みて,苦しい経営状況なんだけれども率先して感染拡大防止に協力するので支援をしてほしいという要望が,12月中旬にございました。なおかつ並木通りに面したところに,業界団体のほうからも人を出して,ワンストップの窓口をつくるといったような共助の取組をされましたので,そういったことに応えて,応援金を補助として実行委員会へ支給をして,飲食店の申請を受けて,そちらのほうから応援金を支出するという形にしております。
それから,先ほどの応援金につきましては,国の臨時創生交付金を使って支払いの財源としてやっております。
以上でございます。
○山田春男 議長 24番近松議員。
◆24番(
近松里子議員) 本当に今コロナ禍で,災害に匹敵する状況だと思います。市民に対して,事業者に対して,政治がどんなメッセージを出すのか,本当に問われているときじゃないでしょうか。先の希望と生きる勇気につながるというのが本当の支援だと思います。確かにオーナーへの補助制度で助かったオーナーやテナントもたくさんいると思うんですけれども,やはり市長がこれまで共助を強調されてきたんですが,誰かの善意を当てにするような,共助を中心にするようなことはもう本当にやめたほうがいいと思うんです。今回の15万円の飲食店への助成も,先ほど言われたように年末年始に全ての飲食店を支援してほしい,県の制度は限定的でしたので,あのとき。ですから,そういうふうな事業者の声に応えて,直接支援を行われたんだと思うんですよ。ですから,やはり市民の願いに添って直接支援を行う。これが市長の役割だと思います。
そして,本当に私は胸が潰れる思いがしたのが,昨年学童保育の指導員の先生から,コロナでお母さんがパートの仕事が減って,保護者会が出しているおやつ代が払えないから学童保育をやめる世帯があるというのを聞いたことです。それから,保護者会がお米の欲しい人は差し上げますと,機関誌に出したら,電話が殺到したという話も聞きました。子育て世帯にコロナの影響が本当に直撃しているんですよね。
そういう中で,放課後児童クラブの基本料金の有料化を2023年からやる。そして22年からは就学援助の対象となる世帯1,000名以上の利用者を切り捨てる。こういうことを発表されている。市民に,子育て世代の市民にどういうふうなメッセージが届いたのか,本当に考えられたことがあるんでしょうか。
中国新聞にも110億円の財源不足になると言いながら,大型開発への投資は4年間で1300億円に上ると書いてありましたが,大型開発はコロナ禍でもどこ吹く風ということじゃないですか。やっぱり市民が本当になりわいで最低限食べていける,そして明日への希望が生きていける希望が持てるような政治にするために公助の力を発揮してください。
終わります。
○山田春男 議長 次に,12番山本昌宏議員。
〔12番山本昌宏議員登壇〕(拍手)
◆12番(山本昌宏議員) 皆様,お疲れさまです。山本昌宏でございます。いましばらく御清聴賜りますようよろしくお願いいたします。
私からは,七問,総括質問をさせていただきたいと思います。
インターネットの向こうの皆様,ハロー,マイネーム・イズ・マサヒロ・ヤマモト。サンキュー。このような多言語で発言する市民生活がもう既にやってきております。議会の中でもこのような発言があるのではないかと,そういう方が出てこられるのではないかということを期待して質問したいと考えております。
まず初めに,平和への取組についてでございます。
核兵器禁止条約が1月22日に発効し,1か月が過ぎようとしております。同じ地球上に住む人々が核兵器に頼る必要がない,限られた資源を分かち合える国際社会に向け努力し続けることが必要だと考えます。
昨年11月23日には,天候にも恵まれ,日没の厳かな雰囲気の中,平和公園で中学生から大学生が企画したヒロシマの心を継承する取組,「Peace Night Hiroshima2020」が営まれました。被爆者から若者へ,次世代へ平和の願いがつながっていく広島の思いが光のバトンの表現の中に込められていました。被爆75年にふさわしい新たな取組にしていただき感謝いたします。若者が中心となり開催した集いの成果を生かし,若者の育成につなげていくように取り組んでいくべきと考えますが,いかがでしょうか。市のお考えをお聞かせください。
次に,受動喫煙防止についてです。
本市では,健康づくり計画「元気じゃけんひろしま21(第2次)」において,健康寿命を延ばし,市民一人一人が生涯を通じて心身ともに健康で自立した生活ができるよう,市民の健康づくりを推進するとともに,市民の健康を支える環境整備に取り組んでおられます。そうした中で,国においては平成30年7月に健康増進法の一部を改正し,望まない受動喫煙の防止を図るための基本的な考え方が示されました。
この改正により,多くの方が利用する施設などについて,第一種施設と第二種施設に分類されました。子供や患者などは受動喫煙による健康影響が大きいことから,特に配慮すべき施設として,学校,児童福祉施設,病院,診療所,行政機関の庁舎などを,第一種施設とし,屋内については一切禁煙とされ,敷地内の屋外については必要な措置が取られた場所以外での喫煙を禁止しています。
一方,公民館などの市の所管施設や事業所,飲食店などの第二種施設については,屋内では喫煙専用室以外での喫煙が禁止され,敷地内の屋外については,歩道や公園などの敷地外の屋外と同様に望まない受動喫煙を生じさせないよう周囲の状況に配慮するという配慮義務が求められているにすぎません。このため,法改正以降,屋外については第二種施設の敷地内の屋外も含め受動喫煙の問題が増えているのが現状です。
そこで,まずは子供や慢性疾患を抱えた高齢者などを守るという観点で,これらの特に配慮が必要な方々が集まる市の所管施設について受動喫煙の防止を確実に実施していくべきであり,敷地内を禁煙にするなど,市の責務として取組を強化していく必要があります。
そこでお聞きします。子供や慢性疾患を抱えた高齢者など,特に受動喫煙の配慮が必要な方々が集まる公民館などの市が所管する第二種施設の敷地内の屋外では配慮義務にとどまっておりますが,第一種施設の敷地内の屋外と同様に必要な措置が取られた場所以外では喫煙を禁止すべきと考えますが,いかがでしょうか。
あわせて,多くの方が利用される駅も第二種施設に分類され,原則屋内禁煙となっておりますが,屋外である駅周辺は受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮することにとどまっております。
人が多く集まるJR広島駅周辺は,広島市ぽい捨て等の防止に関する条例により,喫煙制限区域等に指定し,たばこの吸い殻などのポイ捨てや,灰皿のない場所での喫煙を禁止するため,受動喫煙防止にも効果があると思います。しかしながら,JR広島駅と同様に交通結節点であるJR横川駅やJR西広島駅などの駅周辺は喫煙制限区域に指定されていないことから,歩行喫煙やたばこの吸い殻のポイ捨てなどに関する多くの苦情があると聞いております。こうしたことからも多くの方々が受動喫煙の害にさらされている現状にあると思われます。
そこでお聞きします。喫煙制限区域外のJR横川駅周辺やJR西広島駅周辺などにおける歩行喫煙などに関する苦情を受けて,これまでどのような対応をしたのか,また今後どのような対応をしていこうとしているのかお尋ねいたします。
一方で,喫煙される方の立場になってみると,屋内は無論のこと,屋外にも喫煙する場所は少なく,多くの税金を払っているにもかかわらず喫煙者に対する社会の厳しい目もあり,肩身の狭い思いをされる方も多いことと思います。このような問題を解決するためには,たばこを吸う人も吸わない人も受動喫煙の害を正しく理解し,社会全体が喫煙者との共存を実現できるような機運の醸成や環境の整備を進めていくことが重要であると考えます。
そこでお聞きします。望まない受動喫煙が生じない社会とするために,これまでどのような対応をしてこられたのか,また今後どのような対応をしようとしておられるのか,お聞かせください。
避難行動についてです。避難行動要支援者の個別計画作成についてお伺いいたします。
本市では,高齢者や障害者など,災害時に自力での避難が困難な避難行動要支援者について,令和2年4月現在,3万2000人分の名簿を作成しておられるとお聞きいたします。また,この名簿に登録された方のうち,平常時から地域への名簿情報の提供に同意された方,約1万5000人分の同意者リストも作成し,平常時からの避難支援に関わる地域,団体に提供し,各地域において円滑に避難支援ができるよう,地域の取組に活用されていると伺っております。災害時にはこの取組が奏功し,避難準備・高齢者等避難開始の発令時から各地域において同意者リストを活用し,避難支援などが円滑に行われていることを期待しております。
特に令和元年台風19号や令和2年7月豪雨などにおいて,多くの高齢者が被害を受けておられ,避難支援の実効性を確保する必要性が高まっていると感じております。そのためには,平時から災害に備えることが重要であり,避難行動要支援者ごとに災害時の避難場所や避難経路,避難支援者などを盛り込んだ個別計画を作成しておくことが有効な手段だと考えています。
一方で,この個別計画は,行政内部における防災部局と福祉部局が連携がされていないことや,地域内におけるつながりが希薄化してることなどを理由に,全国的に作成が進まない状況であるとお聞きしております。こうした中で,個別計画の作成については,令和元年12月議会の一般質問でもお聞きしましたが,本市においては,土砂災害特別警戒区域に居住し,かつ家族などの支援を受けられない方を対象に戸別訪問も行っているとのことでした。
命に関わることなので,再度お尋ねいたします。この取組の現状はどうなっているのでしょうか。また,今後どのような個別計画の作成を促進するのかお答えください。
次に,要配慮者利用施設の避難確保計画についてです。
112小学校区の全てにおいて,土砂災害ハザードマップの作成を完了しておりますが,平成29年6月の水防法及び土砂災害防止法が改正され,洪水の浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内に所在する要配慮者利用施設における避難確保計画の作成及び報告が義務となりました。本市には,このような要配慮者利用施設が,平成30年8月末時点では1,718施設あり,対象となる施設の所有者または管理者に対して,避難確保計画の作成及び報告を行うよう文書などにより指導し,平成30年12月時点で避難確保計画の作成及び報告を行っている施設は1,240施設,対象施設の72.2%となっていました。
残る施設についても利用者の命を守るためには速やかに避難確保計画を作成していただくことが肝要であるため,当局では目標の令和3年度までに避難確保計画が作成されるよう指導の強化を図るとのことでしたが,現状はいかがでしょうか。
次に,児童生徒の命を守る行動についてです。
子供たちに目を向けますと,災害時の避難行動を想定することが,児童生徒の命を守ることになると考えるが,市立の幼稚園,小・中学校,高等学校などではどのような指導を行っているのかお教えください。
次に,広島市社会福祉協議会への出捐についてお伺いいたします。
少子高齢化の進展に伴い,日本の人口は2010年を境に減少を続けており,2025年にはいわゆる団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり,国民の4分の1が後期高齢者という超高齢化社会が目前に迫っています。広島市においても,2020年をピークに総人口が減少していくことが予想されるとともに,今後
高齢者人口がさらに増加し,担い手となる現役世代の減少が著しくなると考えられます。
こうした中で,家庭の機能や地域のつながりが弱まり,地域においては様々な生活課題を抱える世帯が増えてきていますが,私は,地域の中で,このような状況を自分事として考えて,主体的に行動する団体が一つでも多くあって,その団体同士がしっかりと連携して課題に取り組むことができれば,よりよい方向に進んでいくのではないかと考えております。例えば私の地元の状況を見てみますと,己斐学区のもみじが丘団地においては,紅友会がございます。子供を育て上げた方,子育て中のお父様方が集い,子供会のソフトボールやフットベースボールの指導,町内会の行事の準備など,地域の行事に積極的に参加し,地域活動を支え,人々の結びつきを強める存在です。この団体は,参加者が会費を出し合い,自主的に活動をしておられます。
このように様々な地域団体がそれぞれの団体の得意分野を生かして,足元から地域のつながりをしっかり強め,みんなが一緒になって協力して取り組むということが地域課題を解決する上で大切ではないかと考えます。そうした中,令和3年度予算案では,広島市社会福祉協議会の新基金に対する出捐が,新規事業として盛り込まれております。これは市社会福祉協議会が新たに設置する基金を活用して,地区社会福祉協議会が行う各種地域団体と連携した事業などに対し助成が行えるよう,市がその原資を出捐するものであるとのことです。
そこで,この新基金への出捐について,市の基本的な考え方をお聞きするとともに,数点確認させていただきたいと思います。
地区社会福祉協議会では,これまで主に高齢者や生活困窮者を支援する活動に取り組まれてきたと思いますが,地域における様々な活動については,それぞれにそれを担う組織がある中で,なぜ本事業では地区社会福祉協議会に中心的な役割を担わせることを前提としておられるのでしょうか。地域によっては,地区社会福祉協議会以外の団体が,地域における取りまとめ役を担っているところもある中で,そういった団体との調整なくして事業の実施はあり得ないと思います。市としては,どのような対応を考えているのか,お答えください。
また,団塊の世代が75歳以上となる2025年を目前に控え,地区社会福祉協議会の構成員そのものが高齢化している中で,今の地区社会福祉協議会の活動の継続についてはどのような対策をしていくのでしょうか。それなくして,新しい事業展開は期待できないと考えます。お考えをお聞かせください。
次に,この事業は新たな基金を活用して実施していくことになっておりますが,具体的な進め方についてお聞きします。
地域団体が連携した事業に対し,市社会福祉協議会が助成するとのことですが,どのような事業を対象に助成しようとしているのでしょうか。広島市全体を見ますと,担当する人や活動する拠点の確保も十分に行えていないような地区社会福祉協議会もあるとお聞きします。そのような中で,連携事業に助成するといっても,その内容や実施方法など,地域団体に全て考えてもらうのは負担となり,難しいと考えます。こういった状況の中で,事業展開が行えるようにするには,取り組みやすいものとなるような工夫が必要と考えますが,どうお考えでしょうか。
今回の取組はこれまでのような行政などの関係機関と団体とを,また団体と団体を直線でつなぐような取組ではなく,様々な団体が団体や関係機関を輪でつなぐような取組となることを目指しているものと受け止めます。いろいろな取組の輪が重なって,地域が大きな輪の塊のようになれば,それは一つの団体のための取組ではなく,地域全体のための取組となっていきます。そのためにはまず様々な地域の課題に対し,みんなが共感できるような地域の取組内容を提示し,どこの団体とどこの団体が一緒にやればスムーズに動けるかなどの結果だけではなく,一緒に考えながら具体的な事例をつくり上げていく過程が重要ではないかと考えます。来年度からの事業実施に当たっては,ぜひそういったことも考えながら取り組んでいただきますようお願いしておきます。
次に,上下水道料金の仕組みの周知についてお伺いいたします。
これは,市民と水道局,下水道局で働く方々に思いをはせながら質疑を始めたいと思います。
今年は1月8日から寒波により,9日の最低気温がマイナス4.5度となり,8日から11日の4日間で,今回凍結により水道管が破裂した件数が1,083件あったと報告を受けました。私の己斐上の事務所でも水道管が破裂し,大家に修理をお願いしましたが,工事が集中しており復旧には1週間かかるとのことでした。経費を少しでも安くできる対処方法を水道局に相談したところ,利用停止する期間が短いと水道の基本料金は日割りだが,下水道の基本料金が1か月単位なので料金が高くなる場合があると聞き,疑問に感じました。水道が1週間止まってしまうことは非常に大変なことで,8月20日の豪雨災害で道路が崩壊し,水道管が寸断し,断水の経験もいたしました。私が経験したのは一部であり,様々な理由で水道を利用できない場合が生ずることが考えられます。災害の場合は,規模の大きさにより国の支援もあるということなので,今回は下水道使用料について質問させていただきます。
下水道使用料は,広島市下水道条例第46条で,月の中途において下水道の使用を開始し,休止し,もしくは廃止し,または現に休止しているその使用を再開したときは,使用料は1か月とし,これを算定すると定めてあります。例えば2月1日に休止または廃止をし,2月末までに開始をした場合,2月1日分の基本料金1か月分と2月末までに開始した分の基本料金1か月分の合わせて2か月分の基本料金を請求することになり,誤解を生んでしまうのではないでしょうか。広島市下水道条例第48条4項で,下水道の使用を休止または廃止するときは,臨時徴収すると定めてあるので,使用を休止または廃止した2月1日にかかる1か月分の基本料は臨時徴収分なので,下水道局としては重複ではないとのことだと理解しますが,一般市民には電話だけの説明では理解が難しく,誤解を生みやすい内容となっております。市民が理解しやすいように周知するためにも,ホームページなどに記載し,必要により臨時徴収分を事務手数料などに改める必要があると考えるが,どうでしょうか。
次に,アストラムラインの延伸についてお伺いいたします。
アストラムラインの広域公園前駅から西広島までの延伸については,平成27年6月の事業化の判断以降,平成29年度から環境影響評価の手続に着手され,平成31年2月にルート案を公表,令和元年7月に環境影響評価の実施計画書についての地元説明会を開催されるなど,これまで着々と事業着手に向けた手続が進んでまいりました。しかしながら,今年度は目立った動きがなく,コロナ禍の中,事業推進に支障が生じているのではないかと心配しております。また,地元の皆様からはこの事業への期待からルートの詳細が分かる都市計画の説明会がいつ開催されるのか,心待ちにされておられます。
そこでお伺いいたします。現在の進捗状況と今後の環境影響評価や都市計画決定などの見込みはどうか,また都市計画決定の説明会はいつ頃開催を見込んでおられるのでしょうか。お答えください。
次に,児童館の遊戯室の空調整備についてでございます。
今年度の予算特別委員会で,放課後等の子供の居場所の確保について質問をさせていただきました。子供が放課後等で安全に安心して活動し,過ごせる居場所を確保する必要があるとともに,児童の健全育成を図ることを目的に各取組を行っていただいており,放課後児童クラブの受入れは平成27年から6年生までに拡充されたため,利用者が急激に増え,計画的なクラス増設などによる量的拡大を重点的に行っておられます。
令和3年度予算には,遊戯室の空調整備を上げていただいておりますが,整備の予定をお答えください。
これで,私からの総括質問を終わらせていただきます。サンキューベリーマッチ。
○山田春男 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 山本議員からの御質問にお答えします。
出席議員 28名
欠席議員 26名
○渡辺好造 副議長 出席議員28名であります。
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開議宣告
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○渡辺好造 副議長 休憩前に引き続き会議を開き,総括質問を行います。
16番木戸経康議員。
〔16番木戸経康議員登壇〕(拍手)
◆16番(木戸経康議員) 皆さん,お疲れさまでございます。自由民主党・市民クラブの木戸経康でございます。会派のお許しをいただきまして,総括質問をさせていただきます。しばらくの間,御清聴よろしくお願いをいたします。
今回は,まず,市立学校における
新型コロナウイルス感染症への対応等についてお尋ねをいたします。
新型コロナウイルス感染症の発生とその対応等に関しては,およそ1年が経過する中,全国的には本年1月7日以降,首都圏や近畿圏の感染拡大地域等に新型インフルエンザ特別措置法第32条に基づく
緊急事態宣言が発令され,本市においても,昨年11月下旬からの感染者数の増加を受け,12月12日から広島県とともに
新型コロナ感染拡大防止集中対策に取り組んでまいりました。一時期,
クラスターも多発し,感染者の新規報告者数がステージ4に近い状態になる中,緊急事態措置に準じた対策が求められ,新規感染者を確実に減少させるため,外出自粛等の要請,感染者の早期発見,
クラスター対策強化等が実施されました。
その結果,現時点の本市の感染状況は急速な感染拡大に歯止めがかかり,感染者数は減少傾向にありますが,再び感染の急拡大が起こる可能性がなくなったわけではなく,こうした中,本市の学校において,昨年度末から今年度初めにかけて全国的に行われた一斉臨時休業措置は実施されてはいませんが,児童生徒や教職員に
新型コロナウイルス感染症患者が発生し,各学校において臨時休業が行われており,学校教育にも少なからず影響を与えているのではないかと感じております。
学校が臨時休業となった場合の子供たちの学びの保障や心身への影響を考えますと,学校においてはマスクの着用や手洗いの励行,ドアノブや手すり,スイッチなどの大勢がよく手を触れる箇所の消毒など,できる限りの感染拡大防止対策を講じた上で,学校教育を継続していくことが求められているのではないでしょうか。
そこで,市立学校における
新型コロナウイルス感染症への対応について,これまでの対応状況を含め,質問をさせていただきます。
まず,本市の学校における
新型コロナウイルス感染症患者の発生状況についてお尋ねをいたします。陽性と確認された感染者数は何人で,どのような経路で感染したと考えられるのでしょうか。また,学校において感染者が出た場合,3日間の臨時休業措置が取られている学校が多いそうですが,どのような手順で臨時休業措置を実施し,期間はどのように決めているのでしょうか。また,感染者が出れば,必ず臨時休業をしているのでしょうか,臨時休業の実施件数と日数を含めてお答えください。
次に,児童生徒への支援についてお尋ねをいたします。
学校では
新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて,先生方が懸命の努力をされております。それにもかかわらず,児童生徒や教職員に感染者が出てしまうこともあります。こうした中で,自分が感染するのではないかという不安を感じながら学校生活を送っている児童生徒も少なくないと思います。また,実際に自分が通っている学校が臨時休業になった場合には,児童生徒の不安感はさらに高まるでしょう。臨時休業になった学校で児童生徒の登校が再開された後,安心して学校生活が送れるよう手厚い支援が必要でございます。
令和2年6月に文部科学省から出された
新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドラインの中に,学校再開後における児童生徒等の心身の状況の把握,心のケア等という項目があり,臨時休業になった学校が再開する際の留意点が書かれております。そこでは,学校再開後,きめ細やかな観察やストレスチェック等により児童生徒の状況を的確に把握すること,健康相談の実施やスクールカウンセラー等による心理面からの支援を組織的に実施することが示されております。
また,感染者等に対する偏見や差別への対応という項目があり,感染者,
濃厚接触者とその家族等に対する偏見や差別につながるような行為は断じて許すことはできないと書かれております。当然のことながら,
新型コロナウイルスへの感染を要因としたいじめは決してあってはならないことです。そういったことが起こらないよう,学校においては先生方が
新型コロナウイルス感染症に関する適切な知識を持ち,学年に応じた指導を行うことで偏見や差別,いじめが生じないようにするとともに,児童生徒への支援が必要であると考えます。
そこで,お尋ねします。広島市の学校で
新型コロナウイルス感染を要因としたいじめや誹謗中傷が起こらないよう,どのような指導を行っておられるのか,また,教育委員会がどのような支援を行っているのかもお答えください。
学校が臨時休業になった場合,子供たちの心理面へのケアやフォローがより一層必要だと思います。児童生徒の心のケアには心理の専門家であるスクールカウンセラーの協力を得ることも必要でございますが,どのような体制を取っておられるのでしょうか。さらに,臨時休業の措置を取らざるを得ない学校がある現状で,スクールカウンセラーの協力を得る場合,スクールカウンセラーの人数や活動時間は大丈夫なのでしょうか,お答えください。
次に,
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う子供の学びの保障の観点から,児童生徒への支援やGIGAスクール構想の実現に向けた取組の進捗状況についてお尋ねをいたします。
児童生徒が
新型コロナウイルス感染症の
濃厚接触者となった際には,たとえPCR検査で陰性となった場合でも2週間の自宅待機が必要になり,その間,その児童生徒の学びに遅れが生じるおそれがあります。こうした場合の対応の一つとして,オンラインでの授業など,家庭にいる児童生徒と学校にいる担任の先生とをインターネットを利用してリアルタイムでつなぐことは,児童生徒が家庭にいながら学習できるだけではなく,クラスメイトや担任の先生などとオンラインで会話することができ,自宅待機をせざるを得ない児童生徒の心のケアにもなると思います。
そこで,お尋ねをいたします。これまで
濃厚接触者となった児童生徒が2週間の自宅待機となった際,オンラインを利用して授業等を行ったと聞いておりますが,具体的にどのような取組を行ったのか,また,それに対して児童生徒や保護者,教員からはどのような感想や意見があったのかをお答えください。
また,オンライン授業等の取組を行うにはタブレット端末やネットワーク環境の整備が必要であり,こうした環境がない方に対しては機器の貸出しが必要だと考えます。そこで,現状においてタブレット端末は現在何台納品されているのか,現時点で端末の初期設定作業を終え,貸出可能な端末の台数は何台なのか,また,インターネット環境が整っていない家庭に対し,貸出用として整備するとされているモバイルWi-Fiルーターは現在何台納品され,最終的に何台整備する予定なのかをお答えください。
GIGAスクール構想といえば,端末整備と併せて校内のネットワーク環境整備も進めることになっていますが,校内のネットワークが高速対応となっていたとしても,学校からインターネットに接続するための回線が現状のままでは児童生徒一人一台の端末使用に耐えられないのではないかと思います。他都市の事例では,児童生徒一人一台の端末は整備をしたものの,回線整備が追いつかず,端末を使おうとするとログインすらできないといった事象も発生していると聞いております。私の地元の安佐北区では,白木地区が現時点では光ファイバー網の未整備地域となっていますが,本市の令和2年度6月補正予算で措置された補助金により,近いうちに民間事業者により光ファイバー網の整備が完了すると聞いております。ありがとうございます。準備が完了すれば,学校においてもできるだけ早期に光回線に切り替えていただきたいと思います。
そこで,お尋ねをいたします。本市では,学校からインターネットに接続するための回線の増強についてどのように考えておられるのかをお答えください。
最後に,令和3年度公立高等学校入学者選抜受検に関する対応についてお尋ねをいたします。
公立高等学校については,去る2月3日に推薦入試に当たる選抜(Ⅰ)が行われ,来る3月8日と9日に一般入試に当たる選抜(Ⅱ)が予定されております。学校では日常的に感染予防対策に万全を期しておられると思いますが,改めて高等学校の受検に際し,受検生に対してどのような指導を行っておられるのか,お答えください。
また,志望校への進学を目指して精いっぱい努力を重ねてきた受検生のために,
感染症対策を万全に行い,受検機会の確保を図ることが重要だと思います。公立高等学校の受検日当日に受検生が
新型コロナウイルス感染症に感染している場合,あるいは
濃厚接触者に特定されている場合などにどのように対応することとなっているのでしょうか,お答えください。
学校においては入学試験や卒業式,年度末や新年度の準備など忙しい時期を迎えておられると思いますが,
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に今後とも尽力をいただき,児童生徒が安心・安全に学校生活を送ることができますように対応していただきますことをお願いして,この質問を終わります。
次に,広島市の今後の道路整備とその取組についてお尋ねをいたします。
建設業界紙の新年号に,「陸の玄関,整備の総仕上げへ」という記事が掲載されていましたので,興味深く読ませていただきました。その内容は,昨年6月に策定された最上位計画である第6次広島市基本計画において,今後10年間で展開するまちづくりの基本方針に関する道路交通施策の中から三つの事業が紹介されていました。
少しかいつまんで紹介させていただきますと,一つ目が広島駅南口広場の再整備についてで,路面電車の駅前大橋ルートの整備とともに,バスやタクシー等の乗降場所の整備,そしてペデストリアンデッキなどの整備により都心における東西の相互アクセス向上とともに,広島市の陸の玄関をより魅力的な空間にするための総仕上げとなるものとの内容でした。
二つ目は広域幹線道路ネットワークの整備についてで,広島高速5号線や国道2号,安芸・東広島バイパス整備など幹線道路のネットワーク整備は広域都市圏の圏域内において人や物が循環する基盤となるものであり,今後は広島高速4号線の山陽自動車道への接続なども必要との考えが示してありました。
三つ目はインフラ資産の老朽化対策ということで,橋梁の老朽化対策の取組を進めていくというものでした。広島市の機能の充実強化には重要な取組ばかりであり,今後もさらに進めていただきたいと思います。
今回はこの中から広域幹線道路ネットワークとインフラ資産の老朽化対策の二つについてお尋ねをいたします。
第6次広島市基本計画では,円滑な道路交通を確保するため,自動車専用道路から地域に密着した生活道路までの体系的な道路整備を進めており,今後とも近隣市町との交流,連携の促進や市街地の混雑緩和,災害に強いまちづくり等につながるような道路交通ネットワークの強化に取り組んでいく必要があるとされています。このため,東広島・安芸バイパス,広島南道路,西広島バイパスの都心部延伸,可部バイパス等の広域連絡幹線道路網や広島高速道路の整備促進,拠点地区間や近隣市町との連絡を強化する道路などを推進していくとされています。
このうち,広域連絡幹線道路網や広島高速道路については着実に進んできていると思いますが,拠点地区間を連絡する幹線道路の整備は進んでいないというのが実感でございます。例えば東区と安佐北区,安佐南区を結ぶ本市域の周辺市街地部における環状型道路網の一部を形成する都市計画道路中筋温品線の1工区として平成12年度に着手した国道54号から太田川左岸の広島三次線までの僅か1.3キロメートルの区間はいまだに完成しておりません。
私は,都市の骨格となるこれらの道路の整備はもっとスピード感を持って進める必要があると思いますが,どのようにお考えでしょうか。また,中筋温品線の1工区の進捗状況や完成目標も併せてお答えください。昨今の財政状況を考えると,一気にこれらの道路整備を進めていくことは困難と考えますが,ぜひとも計画的な道路整備に取り組んでいただきたいと思います。
次に,近年,異常気象とも言える集中豪雨等により,全国至るところで甚大な被害が発生しており,災害に強いまちづくり等につながるような道路交通ネットワークの重要性がさらに高まっております。万が一,あるルートが不通となった場合に他のルートによる代替ルートが確保されるような道路整備も必要なのではないかと思っております。例えば高陽地区でいえば,山陽自動車道にスマートインターチェンジが設置され,高速道路につながるネットワークが構築されれば,地区の主要な道路が通行止めになった場合でも高速道路経由のアクセスが可能となることで,万が一の災害時,輸送ルートとしても効果があると考えます。それにより,高陽地区だけではなく,市域や周辺地域全体における安全性や防災性の向上はもとより,近隣市町との交流,連携の促進にもつながるのではないでしょうか。
そこで,お尋ねします。高陽スマートインターチェンジについては,設置に向けて実現可能性の検討が進まれておりますが,現在どのような状況なのかをお答えください。
次に,インフラ資産の老朽化対策についてお尋ねします。
先ほどの建設業界紙の記事によれば,橋梁について言えば,政令市の中で4番目に多い3,177橋を広島市が維持管理しており,20年後には約7割が橋梁建設後50年を超過する見込みであるとのことでした。このうち重要橋848橋について,橋梁維持管理実施計画に基づき予防保全型の維持保全に取り組んでいるとのことであり,このことについては昨年の決算特別委員会の場でもお聞きしましたところです。
こうした中,昨年末,三次市と山口県上関町において,いずれも建設後50年以上経過した橋梁に穴が空いたり,段差が生じるといったことが相次いで報じられました。橋梁が通行止めになりますと,市民生活に多大な影響を及ぼすことになりますので,維持保全にしっかり取り組んでいただきたいという願いを込めまして,今回改めて質問をさせていただきます。
橋梁の維持保全に当たり,先ほど紹介した重要橋はもちろん優先度が高いと思いますが,こうした位置づけになっていないような,地域内に架かっている橋梁についても,その地域内では重要な役割を持っています。こうした橋梁の維持保全についてはどのような優先順位で取り組んでおられるのかをお答えください。
最後に,安佐南工場で発生した火災についてお尋ねをいたします。
本年1月7日の午前11時50分頃,安佐南区伴北にある広島市のごみ焼却施設安佐南工場において,運ばれてきたごみを一旦ためておくごみピットで火災が発生しました。ごみピット外への延焼はなかったものの,消防車延べ288台,消防隊員延べ1,031人が出動し,出火から16日目の1月22日正午にようやく鎮火に至ったと聞いております。このたびの火災発生以降,安佐南工場でのごみの焼却はできない状態が続いており,広島市のごみ処理への影響が長期化することが懸念されるとともに,この火災を教訓として改めて市民や事業者の皆さんにごみの分別の徹底やごみの減量などをお願いする必要があると思いましたので,幾つか質問させていただきます。
火災発生時にはごみピット内に約2,370トンの可燃ごみなどがためられていて,それらのごみの中から出火したということです。多くの人が考えられるように,焼却施設に運ばれてくるごみは生ごみや資源化できない紙類,また,木くず等で,発火するようなごみは含まれていないはずなのですが,今回,火災は発生しました。
そこで,お尋ねをいたします。このたびの火災の発生原因については現在調査中であり,特定には至っていないようですが,このたびのような火災発生の要因として,一般的にはどのようなことが考えられるのか,お答えください。
次に,今回の火災発生に伴うごみ処理への影響についてお尋ねします。
広島市ではこのたび火災が発生した安佐南工場のほか,中区南吉島の中工場と南区東雲の南工場でごみの焼却を行っており,そのうち安佐南工場では主に安佐南区,安佐北区,佐伯区の一般家庭の可燃ごみと全市域の事業所から排出されるプラスチックごみなどを受け入れて,焼却を行っているとのことです。令和元年度における安佐南工場でのごみの焼却量は年間約10万トンとなっており,その量は市内の1年間のごみの焼却量約30万トンの3分の1に当たります。このたびの火災による安佐南工場の稼働停止により,市内のごみの3分の1の焼却を担っていた施設が長期間にわたり使用できない状況に陥っているということです。このため,市民の皆様は,ごみの収集も含めて,今後のごみ処理に不安を感じられております。
そこで,お尋ねをいたします。安佐南工場の復旧はいつ頃になる見込みでしょうか。また,今回の火災により安佐南工場で焼却できなくなったごみの処理について現在どのような対応を行っているのか,復旧が長期化した場合のごみの処理はどのように考えているのかをお答えください。
次に,火災の発生を防ぐためのごみの分別や出し方についてですが,これまでもチラシやホームページの掲載等により,ごみ収集車やごみ処理施設での火災,爆発事故の原因となるスプレー缶やカセットボンベ,ライターなどの発火する可能性のあるごみの分別や出し方について,市民や事業者に向けて注意喚起をされているようですが,このたびの安佐南工場の火災を教訓として改めて注意喚起が必要であり,そのほかにも市として取り組めることもあると思います。
そこで,お尋ねをいたします。このたびの火災を受けて,ごみの分別や出し方に関する注意喚起など,発火する可能性のあるごみの対策としてどのような取組を行っているのか,また,今後どのような取組を考えているのかをお答えください。
最後に,ごみの減量とリサイクルの取組に関する市民や事業者へのお願いについてです。
広島市では,平成27年3月に策定した広島市一般廃棄物処理基本計画の中で,ゼロエミッションシティ広島の実現を基本理念として,市民,事業者,行政が一体となり,ごみの減量とリサイクルに積極的に取り組むこととしていますが,近年,本市におけるごみの排出量は下げ止まりの傾向が見られます。市民や事業者の中には,ごみ処理への関心の薄い方が少なからずおられると思います。
こうした中,このたびの火災に関する新聞などの報道により,市民や事業者の皆さんの多くが改めてごみ焼却施設を含め,ごみ処理に関することは自らの生活や活動に直結する大事なこととして受け止められたのではないでしょうか。火災により焼却施設の一つが稼働できない状況の中,ごみの適正処理を継続していくためにも,市としてはこの機会を逃すことなく,ごみの減量はもちろんのこと,再生できる紙ごみは可燃ごみではなく,資源ごみとして出すなど,リサイクルの推進の意識づけなどをこれまで以上に訴えていく必要があると思います。
最後に,お尋ねいたします。現状を踏まえ,広島市としては,ごみの減量やリサイクルなど,市民や事業者へのお願いについてどのように考えているのかをお答えください。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○渡辺好造 副議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 木戸議員からの御質問にお答えします。
広島市の今後の道路整備とその取組についてのうち,都市の骨格となり,拠点地区間を連絡する幹線道路の整備についての御質問がございました。
本市における道路整備については,公共交通を軸とした交通体系を構築していく中で,広島高速道路などの自動車専用道路から直轄国道などの広域的な幹線道路,さらには地域に密着した生活道路までの整備と公共交通の充実強化とのバランスを取りながら進めることによって,円滑な道路交通の確保と広域都市圏の着実な発展が図られるように取り組んできているところであります。そうした中で,私が市長に就任した翌年には,当時,事業が中断していた広島高速5号線の事業判断を行い,平成25年度から再開させたことや平成15年度から事業が中断していた西広島バイパスの都心部延伸事業を経済界とともに国に働きかけて,今年度,再開につなげるなど,自動車専用道路の整備に優先的に取り組み,圏域の発展の足がかりを確実なものにしてきたと考えております。
さらに,広域的な幹線道路から生活道路へと取組の力点を順次シフトさせてきたことで,広島高速5号線関連道路や安佐市民病院アクセス道路の整備などが数年後にはいずれも終息する見通しが立つようになりました。このように,本市における道路網については,現在ではその幹線部分が概成に向かう中で,次の段階として,都市の骨格となり,拠点地区間の連絡を強化するための道路整備により力点をシフトしていくことができるような状況になってきたと考えております。今後ともこうした道路整備についての基本的な考え方を踏まえながら,事業が長期化している市内の幹線道路についても,早期の整備効果発現という観点に立って,スピード感を持って整備に取り組んでいきたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○渡辺好造 副議長
道路交通局長。
◎加藤浩明
道路交通局長 広島市の今後の道路整備とその取組について三点の御質問に順次お答えいたします。
まず,中筋温品線1工区の進捗状況と完成目標についてです。
中筋温品線1工区は,平成12年度に事業に着手し,用地取得を進め,全体で約8割の用地を取得しています。また,まとまった範囲で用地取得ができた箇所から暫定2車線での供用を図ることとしており,平成29年度までに祇園新道から約300メートルの区間を供用開始しています。太田川を渡る橋梁については,現在,橋梁形式や構造の選定作業を進めており,令和3年度は河川管理者や漁業関係者などとの協議や橋梁実施設計を実施したいと考えています。引き続き,用地取得や工事を進めるとともに,早期に橋梁工事に着手し,令和10年度までの完成を目標に取り組んでいきたいと考えています。
次に,高陽地区スマートインターチェンジの実現可能性に係る現在の検討状況についてです。
高陽地区へのスマートインターチェンジの設置については,昨年度に,接続する山陽自動車道の線形や勾配,利用交通量などの諸条件を踏まえ,国の構造基準をクリアする概略案を作成しています。しかし,設置場所にはパーキングエリアやアクセス道路など活用可能な既存施設がないため,ランプや料金所等の設置に必要な用地取得費が増加し,一般的なスマートインターチェンジの建設費用を大幅に上回る案となったことから,国から建設費用の削減を求められています。このため,利用者の利便性や安全性を確保した上で,ランプの一部を簡易的な構造とすることや誤進入車両の退出路と料金所を一体化するなどにより,インターチェンジのコンパクト化が図れないかという点について,NEXCO西日本と協議を行いながら検討を進めているところでございます。
最後に,重要橋以外の橋梁の維持保全について,どのような優先順位で取り組んでいるのかについてです。
本市が管理する橋梁のうち,重要橋以外の小規模な橋梁は約2,300橋あり,これらの全ての橋について,橋桁や橋脚,舗装,排水施設などの状態を把握するため,5年に1回の定期点検を行っています。定期点検は,橋の状態を間近で観察することや必要に応じて触診,打音等の検査を行った上で,損傷の有無や補修の緊急性について,健全な状態にある健全度Ⅰから緊急の措置が必要な状態にある健全度Ⅳまでの4段階で評価するなど,重要橋と同じ方法で行っています。平成30年度までの5年間で実施した1巡目の定期点検では,健全度Ⅳの橋梁はなく,早期の措置が必要な状態にあるとされる健全度Ⅲの橋梁が135橋あることが判明したため,これらの橋を優先して順次補修を進めているところです。
以上でございます。
○渡辺好造 副議長 教育長。
◎糸山隆 教育長 市立学校における
新型コロナウイルス感染症への対応について数点の御質問に順次お答えをいたします。
まず,陽性と確認された感染者数は何人で,どのような経路で感染したと考えられるのかという御質問です。
本年2月18日現在で,市立学校において
新型コロナウイルス感染症の陽性が確認された患者数は109人で,その内訳は児童生徒が100人,教職員等が9人となっています。感染経路については,患者がPCR検査を受けることとなった経緯などを見ると,陽性が確認された家族の
濃厚接触者として検査を受けた者が多いことから,ほとんどが家庭内感染によるものであると考えております。
なお,患者が確認された場合に実施される学校関係の
濃厚接触者等のPCR検査の数はこれまで1,837件となっていますが,そのうち陽性が確認された件数は13件で,割合は0.7%となっており,学校内における感染の広がりは現時点では限定的なものとなっております。
次に,どのような手順で臨時休業措置を実施し,期間はどのように決めているか,感染者が出れば必ず臨時休業するのか,臨時休業の実施件数と日数についてお答えをいたします。
児童生徒等に陽性が確認された場合は,学校内で感染が広がっている可能性の有無について判断するため,保健センター等と連携し,学校教育活動における
濃厚接触者等の特定のための調査とその
濃厚接触者等のPCR検査を行う必要があり,これらの調査,検査を行うための期間として当面3日間,臨時休業措置を取ることとしています。この臨時休業措置については,その期間中の調査,検査の進捗状況や新たな感染者の有無によって,短縮または延長を行っています。また,患者となった児童生徒または教職員等が感染可能期間に登校または出勤していないなど,学校関係者に
濃厚接触者等がいないことが確認された場合には臨時休業措置は行っておりません。これまでの臨時休業措置の実施件数は,本年2月18日現在で,いずれの校種も延べ数ですが,小学校31校,中学校20校,高等学校その他10校,計61校となっており,臨時休業の平均日数は2.8日となっています。
次に,学校では
新型コロナウイルス感染を要因としたいじめや誹謗中傷が起こらないよう,どのような指導をしているか,また,教育委員会はどのような支援を行っているのかという御質問です。
新型コロナウイルス感染症を要因としたいじめや誹謗中傷の未然防止に向けては,日頃から各学校において,担任等が児童生徒に対し,誰が感染してもおかしくない状況であることも含め,もし自分や自分の家族だったらということを考え,自らの言動に十分気をつけることなどについて,道徳や学級活動の時間等を活用し,指導しています。その上で,児童生徒や教職員等の感染により臨時休業した後の学校再開日には,改めて校長や学級担任が同様の指導をしております。
また,教育委員会では,こうした各学校での指導に資するために,指導の留意点等を記した資料を配付し,指導の徹底を図っております。さらに,臨時休業明けの学校再開日や陽性となった児童生徒の登校再開日に合わせ,校長OBであるいじめ対策推進教諭等を当該校に派遣し,児童生徒の様子を観察したり,声かけをしたりするなど,いじめや誹謗中傷の防止に向けた体制を強化をしております。
次に,学校が臨時休業になった場合,児童生徒の心のケアにはスクールカウンセラーの協力を得ることも必要だと思うが,どのような体制を取っているか,また,その人数,活動時間は大丈夫かというお尋ねです。
臨時休業となった学校には,児童生徒の心のケアを行うため,登校再開日に合わせてスクールカウンセラーを派遣し,その日に行うアンケート等により教員が支援を必要とする児童生徒を把握した場合には,速やかにスクールカウンセラーに相談できる体制を取っております。
次に,御懸念のスクールカウンセラーの人数,活動時間についてですが,今年度は73名が1人当たり1校から5校を担当し,1校当たり,小学校では週4時間,中学校,高等学校等では週8時間活動することにしております。臨時休業を行った場合の対応としては,当該校の児童生徒の状況を日頃から把握していることや継続してその児童生徒の相談に対応できることから,当該校を担当しているスクールカウンセラーの日程等を調整して派遣することとしていますが,現在のところ,人数,活動時間ともに現状の体制で対応することができております。
次に,
濃厚接触者となった児童生徒が2週間の自宅待機となった際,オンラインを利用して授業等を行ったと聞くが,具体的にどのような取組をしたのかという御質問です。
児童生徒が2週間の自宅待機となった際には,その児童生徒や保護者の意向を確認し,希望があった場合には家庭にいる児童生徒と学校とをオンラインでつなぎ,双方向でのコミュニケーションが取れるようにしました。また,その際,インターネット環境が整っていない家庭に対してはモバイルルーターを貸し出しました。具体的な取組事例としては,テレビ会議システムを用いて,朝の会の時間帯に児童生徒の健康状態を確認をしたり,放課後の時間帯に事前に配付した学習課題に対する質問を受け付けた学校がありました。また,自宅待機となった生徒が在籍する学級の授業を可能な範囲で配信した学校もありました。そのほか,テレビ会議システムを用いた事例として,同じ部活動に所属している生徒が室内で行う体操を紹介し合って一緒に体を動かしたり,登校再開後の活動について話し合ったりするなどの交流を行った例もございます。
次に,オンライン授業等の取組に対し,児童生徒,保護者,教員からどのような感想,意見があったかという御質問です。
オンライン授業等の取組を行った中学校では,生徒からは自宅で授業に参加できてうれしかった,画面に先生や友達の顔が映ったとき,とても安心した,保護者からは配信された授業に参加している子供の様子を見て,安心したなどの感想がありました。また,教員からは,接続に苦労した家庭もあったが,接続後,児童生徒と保護者がとても喜んでいる姿を見て,うれしかった,画面を通して児童生徒と顔を見ながら話をしたり,家庭学習用の課題を配信することができ,とても便利だったなどの感想がありました。一方で,音声が聞き取りにくいことがあった,画面が不鮮明なときがあったなど,今後改善すべき点についての意見もありました。教育委員会としては,オンラインの活用は児童生徒の学習保障や心のケアの充実に資することから,必要な改善を行いながらその有効活用を図っていきたいと考えております。
次に,タブレット端末の現在の納品台数,貸出可能台数,それからモバイルWi-Fiルーターの現在の納品台数,そして最終的な整備予定台数についてのお尋ねです。
国のGIGAスクール構想に基づき購入するタブレット端末は,全部で約10万4000台であり,そのうち,本年1月末時点で約5万8000台の納品を受けております。残り4万6000台については,本年3月下旬までに順次納品を受けることになっています。また,初期設定作業を終え,貸出可能となっている端末台数は,現時点では約500台ですが,今年度末までには約7,800台となる予定です。次に,モバイルWi-Fiルーターについては,現在75台が納品されており,今年度末までに600台まで増やす予定としております。
次に,現時点で光ファイバー網未整備地域となっている安佐北区の白木地区について,学校からインターネットに接続するための回線の増強についてどう考えているかという御質問です。
学校からインターネットへ快適に接続するための回線の増強については,インターネット接続の集約拠点であるデータセンターの通信機能やセキュリティー機能の増強後に行う必要があることから,本年9月以降,12月頃にかけ,学校ごとに順次実施する予定としております。議員御指摘の白木地区の学校については,民間事業者により光ファイバー網整備が完了した後,速やかに光ファイバー網に接続し,高速化を図っていきたいと考えております。
次に,高等学校の受検に際し,受検生にどのような指導をしているかという御質問です。
公立高等学校入学者選抜の受検生に対しては,1月下旬に,
新型コロナウイルス感染症等への対応に関するお知らせを中学校を通じて配付し,入学者選抜当日まで手洗いの励行,マスクの着用,密閉,密集,密接の三密の回避など感染予防を徹底し,体調管理に努めること,当日は常時マスクを着用すること,検査場は換気のため窓を開けているので防寒着を着用するなどの服装の工夫をすること,当日の朝に必ず検温し,37.5度以上の発熱等の風邪症状がある場合は医療機関を受診することなどの指導を行っております。